歴史研究部 2025年活動報告②:鎌倉巡検
2025.12.29
クラブTOPICS歴史研究
歴史研究部の2025年活動報告第二弾は「鎌倉巡検」です。鎌倉と言えば、中学2年生の校外学習で訪れる地域でもありますが、今回は主に高校1年生が中心となって、歴史研究部ならではの巡検コースを組みました。
4月2日(水)に行われた巡検には中学生・高校生合わせて13名が参加しました。
① 建長寺
巡検のスタートは建長寺からです。鎌倉幕府5代執権・北条時頼の時に開山し、室町時代には鎌倉五山の筆頭に位置づけられた由緒ある寺院です。


それぞれの建物の雰囲気もさることならが、総門・山門・仏殿・法堂が一直線に並ぶ伽藍配置も面白く、部員たちは興味深そうに境内を巡っていました。
② 鶴岡八幡宮
源氏ゆかりの名所として、ここは外せないでしょう。校外授業でも訪れたという部員も多かったですが、改めて境内を巡ってみると、前回は見逃していた史跡が数多く存在することに気づきました。特に境内入り口付近にある「源平池」に興味を示す部員たちが多かったです。


源氏池に人工の島が3つ、平氏池に人工の島が4つありますが、これは「産」と「死」の意がかけられているそうです。そんな豆知識を学びつつ、最後に集合写真を撮りました(画像はこの記事の最後に載せています)。
③ 化粧坂切通し+ 鎌倉歴史文化交流館
昼食を挟み、午後に向かったのが「化粧坂切通し」です。ここは鎌倉を防衛するための要所と位置付けられ、新田義貞が鎌倉を攻めた際には激戦地となった地域の一つです。


前日まで雨が降っていた影響もあり、道は少しぬかるんでおり、顧問・部員ともども慎重に坂を登っていきました。果たして鎌倉時代の武士たちはどうやってこんな急勾配な坂で戦闘を繰り広げていたのか......そんな疑問が自然と湧いてきました。
その後、鎌倉歴史文化交流館を訪れましたが、まだまだ元気な部員たちとは裏腹に、顧問たちは疲労困憊の状態だったため、写真を撮り忘れました。
④ 鎌倉銭洗弁財天宇賀福神社
当初の巡検ルートには含まれていませんでしたが、次の目的地に行く際に近くを通ったので寄ってみました。源頼朝の時代に創建されたと伝えられ、主に金運に関するパワースポットとしても有名な場所です。


金運アップというパワーワードに惹かれ、部員たちはこぞって自分たちのお小遣いを清めていました。果たして、その後、効果はあったのでしょうか?
⑤ 東勝寺腹切りやぐら + 永福寺跡
その後、史跡を2箇所めぐりました。まず「腹切りやぐら」は、鎌倉幕府滅亡時に最後の得宗であった北条高時などが自害した場所とされています。ただし、現在は落石などの危険性があるため、立ち入り禁止となっていました。次に訪れた「永福寺跡」は、奥州藤原氏や源義経を弔うために源頼朝が建立した寺院の跡地です。この史跡は専用のアプリ(AR永福寺)を利用すると、復元CGが見られるということで楽しみにしていたのですが、前日の悪天候の影響もあって、この日は開放中止となっていました。こうしたハプニングも「巡検あるある」と言えるでしょうか。


⑥ 瑞泉寺
最後の巡検場所は「瑞泉寺」です。室町時代に設置された「鎌倉府」の菩提寺として由緒ある寺院です。特に夢想礎石が作庭したとされる庭園(復元)が有名です。拝観時間ギリギリに訪れたため、日が沈みかける中で散策した庭園はとても魅力的でした。


今回の巡検は「鎌倉時代後期~南北朝時代」の史跡をめぐるというテーマで組まれました。鎌倉時代と言えば、源頼朝が幕府を創設した時期の名所(鎌倉時代初期)が有名ですが、その後の時代に関する名所も数多くあることが分かりました。まさに歴史研究部ならではの巡検ルートと言えます。今後も、こうした巡検が企画されることを顧問として楽しみにしています。

